2021年度:教職大学院生の月例報告

教職大学院生が授業の様子や行事等を毎月,報告します。

3月

 3月5日(土)に,静岡大学教職大学院第11回公開成果発表会を開催いたしました。本年度は,コロナウィルス感染防止のため,会場とオンライン(Zoom)併用でのハイブリッド型の開催となりました。にもかかわらず,県内外から多くの方がご参加いただき,大変ありがたく思っています。
 教職大学院が再編されてからの最初の修了生の発表会となりました。学校組織開発コース学校組織開発分野及び教育実践開発コース教育方法分野,教科教育,特別支援教育、養護教育のそれぞれの専門性を活かした研究が発表されました。
 研究内容は多岐にわたり,新しい学習指導要領やそれに伴う評価,校内研修の改善,教員自身の職務評価など,実践や教職経験で生まれてくる問題を顕在化し,先行研究をもとに理論を構築し,必要な分析を繰り返した熱意あるアクションリサーチでした。また,質疑応答でも会場,オンライン上を問わず多数のご意見・ご指摘をいただき,活発な議論が展開されました。この発表会でも深い学びが生まれていたことと思います。
 指導講評では静岡県教育委員会義務教育課人事監大根様より指導講評をいただきました。地に足を付けた実践研究であり,学び手の立場に立った先駆的な実践であったこと,一方で,地域を題材にし,学校の伝統文化を継承するものもあったこと,時代が求める多様性や社会的自己実現を取り上げながらも,学ぶことで「楽しさ」を感じたり「見方・考え方」を養ったり,教育として普遍的な観点も大切にされていたことなどを研究の価値として評価していただきました。また,今後も研究を推進していくこと,教職大学院での学びを現場に還元していけるように励んでいってほしいというお言葉をいただき,閉会となりました。
 ご参会いただきました皆様,研究に協力いただいた各実践校,各教育委員会ならびに地域の皆様,ご協力・ご指導・ご意見,誠にありがとうございました。

2月

 M1の中間報告会が行われました。今年度は各分野に分かれての報告会となりました。感染対策として,オンラインで行ったり人数を制限したりしながらの報告会となりました。それぞれの院生が高度化実習Ⅰで得た実践をもとに,自身の研究テーマに沿って成果と課題をまとめたものを発表しました。限られた時間の中で,よりわかりやすくより説得力のある発表をすることも,院生には求められています。1年間の大学院での学びを十分に生かした発表となりました。
 また,質疑応答では,専門の知見に基づくアドバイスや指摘をいただきました。来年度の研究に向けて,足りない部分についてさらに情報を収集したり,計画を修正したりする課題の見つかる有意義な時間となりました。
 来週には,現職M2による公開成果報告会が予定されています。2年間の集大成となる発表が行われることと期待しています。

1月

 教職大学院のストレートマスター1年生は10月から1月の間に実践的指導力高度化実習を行っています。
 自身の研究計画に乗っ取り、実習先を指導教員と決定します。前期の基盤実習では静岡大学附属学校に協力いただき、自身の研究の方向性を模索しながら知見を深めていきました。実践的指導力高度化実習では基盤実習の経験を鑑みながら、自習先を自分で考えることができるため、より研究内容を深めることができます。知識と実技の往還の中から大学院だからこそできる事を模索しました。
 1月は実践的指導力高度化実習が終わり、自習の成果とこれからの課題の振り返りを行いました。2月の修士論文の中間発表に向けて取り組んでいます。

10月

 教職大学院の授業も,後期のカリキュラムが始まっています。後期は,各分野のさらに専門的な学びを深めながら,自身の研究テーマと向き合いながら受講しています。
「教育政策と学校論」では,自身の研究テーマと今日までの教育政策の流れを重ね合わせながら,どんな研究を進めていくのかについてプレゼン発表しました。院生同士の質疑応答を通して,自身の研究の課題や必要な視点などについて理解を深めました。

7月

 教職大学院のストレートマスター1年生は基盤実習を終えました。静岡大学附属静岡小学校、中学校、島田中学校、浜松中学校で実習をさせていただきました。学部生の時の実習とは異なり、それぞれの研究の方向性にあった実習活動をさせていただき、大変貴重な実習となりました。
 学級経営の方法や指導方法、子どもの見取り方など実際に教員として必要な力について学ぶことができました。講義では気付かない子どもの現れは、これから課題研究を進めていく上で大変意味のあるものだったと思います。
 今回の成果と課題を真摯に受け止め、後期の実践的指導力高度化実習Iに向けて準備していきます。

6月

 6月17日(木)教職大学院現職院生対象の初めての訪問実習が行われました。
 第一回目は特別支援教育領域訪問実習として、静岡市特別支援教育センターにて、通級指導教室についての講義と、実際の指導内容についての見学をさせていただきました。
 指導に当たる先生方の熱意と努力によるきめ細やかな指導の実態について、具体的な説明をもとに、理解を深めることができました。
 大変貴重な訪問実習となりました。

 6月24日(木)には、富士市立高等学校へ訪問実習に伺いました。

 富士市立高等学校における、社会(地域)とつながる学びのカリキュラム及びその運営の実態等について学ぶために、「究タイム(総合的な学習の時間)」の各グループの中間発表会を参観させていただきました。
どのグループも、地域の問題から真正面に取り組み、高校生ならではの視点から解決策について探求している過程を伝えてくれました。
小中の総合的な学習が、高等学校での探求へとつながっていく様子について、子どもたちの発表から理解を深める事ができました。次回の前期発表会での訪問実習も予定されています。高校生の探求の成果を楽しみにしています。

 今後の訪問実習としては、静岡市立長田西小学校放課後こども教室見学、牧之原市教育委員会での講義、榛原高等学校学校運営協議会見学等が予定されています。

5月

 ゴールデンウィークも開けて心地よい季節になってきました。
 トレートマスターと現職教員が話し合って議論を展開するような活動では、個々の視点や経験から学ぶことが多いと感じます。
 院生同士の交流が自分の力になっていることを感じる日々です。

4月

 今週から、本格的な教職大学院の授業が開始しました。ストレートマスターと現職教員が一緒になって、よりよい教育について様々な視点から学んでいます。今年度は対面授業が前期から開始されました。感染対策を施しながら、院生同士の交流を通して授業が進められています。